8月の日差しの中で、久美子は白い裸体を晒して静かに立っていた。
全裸の身体に巻かれた赤い
縄が、浮き上がるように緑の森に映えていた。
山から吹き降ろす風が、久美子の髪を揺らした。
久美子の白い肌は、興奮のためか薄い紅色に染まり始め、恍惚のような表情が浮き上がり始めた。
高志は、少し離れた場所から久美子を黙って見詰めた。
2人の間に会話が無かった。
山から吹く涼しげな風が、2人の間の草を揺らしていた。
高志に見詰められているだけで、久美子は幸せを感じた。
今、この瞬間、久美子は高志を独占している。
私だけの高志。
あの夜、何が有ったのかは、もう気にならなかった。
何が有っても。
何も無くても。
今、私は高志を独占している。
高志が、近づいてきた。
「少し歩こう。」高志が言った。
後ろ手に縛られた、赤い
縄を高志が持った。
久美子は、奴隷の様に高志に
縄を引かれて歩き始めた。
舗装をされていない土の道を歩いた。
車の轍の跡を転ばないように歩いた。
こんな所を、誰かに見られたらなんて思うだろうか?
もし、その人が私を襲ってきたら、高志はその時どんな行動を取るのだろうか?
人の気配は無かった。
野鳥の囀りだけが、静かな山間に聞こえた。
5分ほど歩くと、久美子は汗ばんできて喉が渇いた。
高志は、木陰に久美子を移動させた。
見晴らしが良くなり、遠くに道路が見え走り去る白い車が見えた。
高志は、手に持ったミネラルウォーターを口に含むと、キスをしながら、口移しに久美子に飲ませた。
微かに甘い味がすると久美子は思った。
久美子の口から毀れたミネラルウォーターは、頬を伝い顎から地面に落ち黒い染みを作った。
高志が、頬に出来た一筋の流れを舌で舐め掬った。
ゾクゾクとした快感が、久美子の身体を駆け抜けた。
「あああっ。」
「戻ろうか。」高志が言った。
何故?
何故、高志は
挿入をしてくれないの?
あなたが欲しい。
あなたが欲しくて、欲しくて、身体がおかしくなってしまいそう。
戻ると、高志は
縄を解き運転席に座った。
久美子は、全裸のまま助手席に座った。
車のエアコンで、汗ばんだ肌が冷たく乾き小さく身震いをした。
「久美子。」
「なあに?」
「入れて欲しいか?」
久美子は、どう答えようか迷った。
迷いながら、本当のことを言おうと思った。
その迷いが、小さな間になった。
「入れて、欲しい。」
「答えに一瞬迷ったな。
これを着なさい。」
ちょっぴりHなボディコンスベスベとした生地が身体に張り付き、乳首がうっすらと透けていた。
高志が手に持っていた、ミネラルウォーターを乳房の辺りにかけた。
乳首がはっきりと透けて見えた。
高志は、車を発車させた。
つづく
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