深い海の青さと、透明な空の青さが水平線で混じりあっていた。
海岸通りに出ると、行き交う車の通りが激しかった。
記憶の無い夜のことを知りたいと言う、久美子の問いかけに高志は黙っていた。
何かを考えるように、真直ぐに前を見詰め無言で車を運転していた。
久美子は、高志の答えをじっと待った。
「時期が来たら教えるよ。」ぽつりと高志が言った。
久美子は、高志の言った言葉の意味を考えたけど、答えはわからなかった。
「何故? 今では教えられないの?」
「今は、まだ、久美子の中に、その時期が来ていない。
自分の身に起きた出来事だから、知りたい気持ちは理解できる。
でも、今はまだその時期ではない。
もっと、自分の中にある、欲望を曝け出してからだ。」
高志は、言葉を選ぶように切れ切れの言葉を発した。
信号で車が止まった。
数人の歩道を歩く人達が、青信号を渡ろうと急ぎ足で車を通りこしていった。
誰も、久美子の透けた乳首に気がつかなかった。
みんな自分達の会話で精一杯みたいで、車の中を覗く人達はいなかった。
高志は、運転席の窓を開けると、タバコに火をつけた。
熱い空気が車の中に流れ、タバコの臭いが久美子を包んだ。
突然、身体の奥にある子宮の辺りが疼いた。
まるで子宮の中に何かがいて、久美子の性欲を刺激しているような感じがした。
高志のズボンのチャックを開け、勃起したペニスを取り出し、口に含みたかった。
咳き込むぐらいに喉の奥まで、ペニスで貫いて欲しくなった。
目を閉じ、じっと性欲を堪えた。
車が走り出すと、窓から吹き込む風が強くなり、潮の香が久美子の前髪を揺らした。
高志は、灰皿にタバコでタバコを消すと、一瞬、久美子を見た。
「したくなったか?」高志が言った。
「とても。」
「夜まで我慢を出来るな。」
「ほんとうに 」久美子は言葉を切ると、言いかけた言葉を飲み込んだ。
「ほんとうに?」
「今晩、私の中に入れてくれます?」
高志は、運転席で前を向いたまま口元で笑った。
「心配するな。」
久美子も釣られて笑顔になった。
「いっぱい。」久美子が言った。
「いっぱい?」
「いっぱい、入れて欲しい。
朝まで、抜かないで、一つになっていたい。」
「それは無理だ。」
「抜かないで、ずっと入れていて欲しい。」久美子は、もう一度強く言った。
「トイレにもいけない。」
「私の中で、しっちゃってもいいのよ。」自分の言葉では無いと思った。
今まで、こんなこと一度も言ったことが無い。思ったことすらなかった。
「腹減ったな。昼飯食べるか。」高志が話題を変えるように言った。
話をはぐらかされた気がした。
つづく
愛し合う2人にとって、
SMは愛情表現の一つになります。
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SMを始めてください。
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身体も心もボクのもの はじめてのSMガイド
テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト