久美子は、うつむきながら助手席に座っていた。
服に掛けられた水は、まだ乾いていなくシートベルトに押し付けられた胸が乳房の形と、乳首の色ををくっきりと浮き上がらせていた。
その姿は、裸でいるよりもエロチックさを際立たせていた。
車は山道を下ると、舗装された道に出た。
時折、車がすれ違った。
乳房を見られているような気がし、羞恥心で、身体が熱くなるのを感じていた。
恥ずかしい。
たまらなく、恥ずかしい。
すれ違う車を見ることが出来なかった。
それでも、透けた乳首を隠そうとは思わなかった。
山の中で縛られ、高志と2人きりで散歩をした、あの感覚が抜け切れなかった。
あれから、ずっと久美子のバァギナは濡れていて、濡れている自分が、恥ずかしかった。
私は、こんなにも淫乱だったのだろうか?
「恥ずかしいか?」高志が聞いた。
「とても。」久美子の声は、小さく何処か固かった。
「でも、濡れているだろ。」
「はい。」久美子は小さな声で返事をした。
「感じている自分が、怖いか?」
「何故、こんなに興奮をしているのか?自分でも信じられないです。」
高志と話すとき丁寧な言葉遣いになってしまう。
「それが、久美子の心の奥底にある欲望なんだよ。」
これが、私の心の底にあるもの。
私は、本当は淫乱な変態女なのだろうか。
「それを、認めるのが怖いだろ。」高志が言った。
「私、あの下着を身に着けたときから、ずっと、濡れていたんです。
山の中のでの出来事は、夢のようで変態なことなのに、それが嫌ではなくって、それどころか、どんどん興奮してしまって。
いまでも、高志に入れて欲しいし、高志のが入る準備はもうできているし、私、どうしちゃんだろう。
高志に淫乱な魔法を掛けられてしまったようで。」
久美子は、そこまで喋ると黙った。
何を、どう言っていいのか自分でも分らなかった。
「久美子には、淫乱な素質が有ったんだよ。だから、魔法を掛けて引き出しているんだよ。」
「何故、淫乱の素質があるって思ったの?」
「初めて逢った日の夜に、そう感じた。」
あの記憶の無い夜のことだった。
いったい、あの日に、私に何があったの?
「私。。。」
「ん?」
「あの日の夜。
私。。。いったい何をしたんですか?
一切、記憶が無いんです。
あの日の夜の記憶が一切無いんです。」
「記憶が無いのか。」
「はい。」
「それなら、今は、まだ知らないほうがいい。」
久美子は、高志の言っている意味を考えた。
何故、知らないほうがいいのか?
私は、そんなに凄いことをしてしまったのか?
「知りたいんです。」久美子は、静かに強い意志を込めて言った。
車は信号で止まった。
高志は、黙って信号を見詰めていた。
「知りたいんです。」久美子は、もう一度強く言った。
信号が青になった。
高志は、口元だけで笑うと、アクセルを踏み込んだ。
カーブを曲がると、海が見えた。
真っ青な海が、夏の日差しにキラキラと輝いていた。
つづく
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