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官能小説【調教に溺れて】第43章 植物園

バスを降りると、日差しが肌を突き刺してきた。
高志は、久美子の後姿を眺めた。
久美子は、恥かしげにTシャツの裾を押さえた。
それが、返ってお尻の膨らみを際だだせ、日差しにうっすらとお尻の割れ目が透けていた。
あと15センチ、Tシャツの裾を捲ればノーパンのお尻が丸見えになると思った。

久美子は、ノーパンであると言うことが、こんなにも不安で落ち着かない事なのかと思った。
不安を掻き消そうと、高志の腕に強く腕を絡ませた。

二人は、伊豆の高原にある公園を散歩した。
公園の中は、動物園と植物園に分かれていた。
久美子は、動物園の中を散歩しながらも、次は高志にどんな調教をされるのかそればかりを気にしていた。
動物達を楽しむ、余裕が無かった。
高志からの、エッチな命令は特に無かった。

二人は、植物園の温室に入った。
温室の中は、広く大きな迷路のような小道が続いていた。
のんびりと腕を組んで歩く二人を、家族連れが抜かしていくと人影が途絶えた。
「写真を撮ろう。」高志が言った。
高志は、久美子を西部劇の映画に出てきそうな背の高いシャボテンの前に立たせた。
「Tシャツを捲って。」
久美子は、言われるままにTシャツの裾を捲った。
アンダーヘアーが露出した。

シャッターを切る音が、温室に響いた。
シャッター音が、久美子の淫らな心を刺激した。

「脱いで。」高志が言った。
久美子は、躊躇った。
人の来る、気配は無かった。
「早くしないと、誰か来るよ。」高志が言った。
思いっきり、Tシャツを脱ぎ、温室の中で、全裸になった。
恥かしさと緊張で、心臓が音を立てて、高鳴った。

シャッター音が、連続して響いた。
カメラに視漢されているような気になった。
高志は、久美子の前にしゃがむとカメラを構えた。
「もっと、足を開いて。」
久美子は、言われるままに足を開いた。
シャッター音が、やけに大きく聞こえ身体が反応をしてしまう。
「濡れているよ。」
濡れているのは、自分でも分っている。
恥かしいから、そんな事を言わないで。
高志の言葉に、淫らな身体が反応をしてしまうから、そんなことを言わないで。
自分で自分を抑えられなくなってしまいそう。
身体を舐めるように、シャッター音が聞こえる。

その時、後方から話し声が聞こえて、久美子は慌ててTシャツを着た。

つづく

ワークウーマンシェアリング

テーマ : 18禁・官能小説
ジャンル : アダルト

化粧 完

今日の夜、香りと二人で食事に行く。
香が何故、美津子を食事に誘ったのかはわからない。
美津子は、一人で期待を膨らませては、そんなことは無いとそれを否定した。
理由は分らないけれど、香と二人で食事に行くという事実だけでも嬉しかった。

鏡の前で、普段はしない化粧をした。
今日だけでも、綺麗になりたかった。
女として、初めて綺麗になりたいと思った。
化粧を終えると、たった一着持っている、ワンピースを着た。

鏡の前に立って全身を映した。
全てがぎこちない気がして、なんだか気恥ずかしかった。
それでも、せめて今日だけでも綺麗になりたかった。

会社に行くと、特に誰も何も言わなかった。
何時もの様に仕事をし、何時もの様に時間が流れていった。
何時もと違うのは、美津子は何時も以上に時間が過ぎるのを気にしていたことだった。
定時が近づいてくると、美津子の心がそわそわと落ち着きが無くなった。
何処か遠くを見る振りをして、目の隅で香を見詰めた。

香は、普段と変わりが無くパソコンのキーボードを叩き、誰かに声を掛けられると何時もの笑顔で何かを答えていた。
美津子は、誰にでも平等に分け与える、香の笑顔に嫉妬を覚えた。
その笑顔を、私だけに見せて欲しいと思った。

胸が締め付けられるように苦しい。

やがて定時を知らせるチャイムが鳴った。
何人かの人が、机の上の書類を片付けはじめ、残業をする人が休息のトイレや喫煙室に向かって立ち上がった。
何時もと変わらない風景が流れた。

香が近づいて来た。
「出れます?」残業をする人に遠慮するように、香が小声で美津子に言った。
香の小声が、美津子には皆には知られたくない、秘密のデートの誘いの様に感じられた。
「あと、15分。」美津子が小声で言った。
香は頷くと「玄関の処にいます。」と言った。
本当は、15分も掛からなかった。
今、直ぐにでも仕事を終わらせることが出来た。
でも、あと15分と答えてしまった。

その15分が、仕事にならなかった。
意味も無く、パソコンのメールをチェックして過ごした。

14分が過ぎると、美津子は机の上を片付け、パソコンをシャットダウンしてトイレに行った。
そして、鏡の前で化粧をチェックして、赤い口紅を引きなおした。
緊張をしている。
心臓がドキドキとしている。

1階に下りると、玄関に香が佇んでいた。
美津子を見つけると、いつもの可愛い笑顔を美津子にぶつけて来た。
「お待たせ。」美津子は、緊張を笑顔で隠しながら言った。
香と並んで歩いた。
それだけで、幸せを感じた。
お店なんて入らなくていいから、このまま香りと歩いていたかった。
「何か食べたいものあります?」香が言った。
「何でもいいわよ。」胸が高鳴り、緊張を隠すために口調がぶっきらぼうになってしまう。

香が選んだ店は、お洒落な居酒屋だった。
テーブルが、仕切られていて半個室のようになっていた。

生ビールで乾杯をし、ひと時を雑談で過ごした。
3杯目のビールを頼んだとき、会話が一区切りした。
「美津子さんには、ずっとお世話になっていて、だから初めに話をしたかったんです。」
香はそう言うと、少し間を空けた。
美津子は、香を見詰めた。
「私、4月に結婚をするんです。」
美津子の心の中にある何かが崩れそうになった。
「そうなんだ。おめでとう。」心と裏腹に、やけに明るい声が出た。
「ありがとうございます。」笑顔で答える香を見て、心の中に惨めな気持ちが湧き上がって来た。
「相手はどんな人?」
香が、結婚相手の男性の話を始めた。
香の声が遠くに聞こえ、何も頭の中に入って来なかった。
香の話を、ただ頷くだけだった。
涙が出そうになった。
お店を出て、一人になりたいと思った。

”本当は、私も香が好きなの。”
その言葉を何度も言いそうになった。
でも、言い出すことが出来なかった。

香と分かれて、通いなれた夜道を一人歩いた。
流れるな、涙。
流れるな、涙。

美津子は、立ち止まり夜空を見上げた。
蒼い月が、ジングルベルに包まれていた。

終わり



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